介護士の転職回数は何回が限度か
少子高齢化社会の我が国では、介護職は欠かせない職業です。
介護職の求人はたくさんありますが、肉体的・精神的負担や責任が大きい仕事であるので、離職率が他業種に比べ高く、転職回数が多いという現状があります。
人間関係のこじれも多く、環境の良い職場で働くことは難しいかもしれません。
より良い環境で働きたい、より多くの給料をもらいたい、という思いのために仕事場を変える決意することは当然のことです。
今回は介護職の現状と、転職回数などの注意事項を紹介していきます。
介護職の現状
まずは介護職の現状についてまとめました。
離職・転職の平均
平成25年度における厚生労働省の調査結果を以下に引用します。
離職率の平均
雇用形態 | 離職率 |
正規職員 | 15.2% |
非正規職員 | 22.1% |
雇用形態により差があることがわかります。
20代の転職回数の平均
転職回数 | 割合 |
1回 | 21.3% |
2回 | 4.7% |
3回 | 3% |
4回以上 | 0.3% |
30代の転職回数平均
転職回数 | 割合 |
1回 | 32% |
2回 | 20.7% |
3回 | 9.7% |
4回以上 | 6.7% |
当然のことではありますが、年齢が上がると増えていることがわかりますね。
一つの職場で働き続ける介護士の方はあまり多くはないようです。
離職・転職の理由
現在の介護職の職場を離れる決意をさせた理由は人それぞれです。
主な理由として挙げられるのが、「施設の運営方針への不満」や「人間関係のこじれ」です。
人手不足を補うために、一人の介護士の負担が大きくなってしまったり、上司からのパワハラ、同僚からのいじめにあうこともあるそうです。
人間関係が悪化してしまった場合は、働きにくいため、我慢して働き続けるより職場を移そうとするのは自然なことです。
もし、劣悪な環境で無理をして勤務されている方がいたら、仕事場を変える、という選択肢を他の介護士も選択しているということを思い出し、転職を検討してみてください。
不利にならない転職回数
転職回数が多いことによって、面接官に悪印象を与え、採用が難しくなってしまうのではないか、と不安に思う方も多くいらっしゃるでしょう。
実際に面接官が気になってしまう回数はどのくらいなのでしょうか。
3回目以上は不利?
「応募してきた介護士の転職歴が何回以上だと気になるか」という調査によると、1回と2回が8%、3回が36%、と3回目から急増しています。
一方、1、2回であれば気にする企業は少ないようです。
まだ一つの職場で働き続けている方や、二つ目の職場で勤務されている方は、あまり深く考えずに職場を変えやすいと言えます。
すでに三つ目以上の職場で働いている方は、きちんと退職理由を考えてから転職活動を試みましょう。
転職回数が多いと不利な理由
職場の移動が多い介護士を採用するにあたって、介護施設側が懸念する点は、「採用してもすぐに辞めてしまうのではないか」ということです。
退職理由が、職場への不満や人間関係のこじれである場合は、また同じ理由で退職されてしまうと警戒されてしまいがちです。
事前にその点を理解し、面接官に退職理由を説明しましょう。
面接で不利にならないためには
では、実際に転職回数が多いと面接で絶対に不利になってしまうのでしょうか。
勤務先により異なりますが、理由によっては不利とはならないこともあります。
志望動機が明確で、ポジティブな理由であるならば、面接官に悪印象を与えることも避けられます。
「人間関係のこじれ」や「施設運営への不満」などという退職理由は、どの職場でも起こり得る問題です。
それゆえ忍耐力のない性格と捉えられてしまう可能性もあります。
もし実際に先に述べたような退職理由を持っていたとしても、面接の場であえて主張する必要はないでしょう。
ネガティブな言葉はポジティブに変えよう
退職理由が面接官の好むものでなくとも、嘘を付いたり、隠し事をするのは心苦しいですよね。
そのような場合はネガティブな理由をポジティブに言い換えるようにしましょう。
たとえば、前の介護施設で何か不満があったとしても、「これまで培ってきた経験を生かし、新しい職場環境の向上に努めたい」などというような前向きな発言をしましょう。
次の職場ではすぐに退職しない、精一杯働きたい、という将来の成長を期待させるような意気込みが大切です。
また、転職回数が多い場合、複数の介護施設で知識を得ており、即戦力となるはずです。
現場ですぐに活躍できるということは、人手不足な介護職において、非常に魅力的な人材と言えます。
この点をメリットとして捉え、自らアピールしていきましょう。
転職回数を恐れずに正しい選択を!
いかがでしたか。
良い職場に恵まれず悩んでいる方もいらっしゃるかもしれませんが、経験と知識の多さを生かし、より良い介護職に就けるようポジティブに面接に挑みましょう。
自分は職場を変えすぎているのではないかと不安に思っている方も、転職回数の多さをプラスに捉えましょう。
本記事が職場環境に悩む介護士の皆様の助けとなれば幸いです。