介護職のキャリアパス制度のメリット・デメリット!今後の動向も
介護職のキャリアパス制度というものをご存知でしょうか?
この制度は、介護職のレベルを「新人レベル」「中堅レベル」「主任・リーダー」のようにわけ、それぞれに見合った給料を支給するというものです。
レベルに応じて「役割や仕事に必要な能力の設定」そして、「能力が身につくように研修機会の提供」「仕事の遂行度合い、能力を確認・評価」をしていきます。
キャリアパス制度は都道府県によって支援されていて、各施設ごとに設定されています。
介護職では主にどのような制度があるのか?
キャリアパス制度では、しっかりとレベルごとに役職等をわけていきます。
例えば、副主任、主任、センター長、統括部長、施設長という風に、役職が別れていきます。
このように役職ごとに段階で分け、その役職には何が求められていて、どのようなことが目指されているのかを明文化します。
それによって、働いている人が目的、目標を持って働きやすくなるようなものになります。
主に専門性が問われることで、他の企業との違いがあります。
キャリアパス制度の介護職員側からのメリット
さて、この制度はなぜ必要なのでしょうか?
導入によって生まれるメリットには以下のようなものがあります。
- 求職者が将来像をイメージできるようになる
- 現職員のモチベーションアップ
以上の理由から、キャリアパス制度は必要だとされています。
求職者が将来像をイメージしやすくなる
制度が導入されることによって、「介護職に就こう!」と思ったひとが安心して仕事につけるようになります。
介護職を始めるときは、何かと不安が生じがちです。
ブラックが多いってよく聞くし、体力的に、精神的に摩耗してしまわないか……。せっかく仕事を始めたのに、すぐに辞めなければならないようなことにはならないか?
このような不安の要因には将来どうなるかわからないという部分が大きいです。
しかし、制度が導入されることによって介護職につこうと考えているひとが、将来をイメージしやすくなります。
これにより、介護職を始めようという人の不安がなくなります。
現介護職員のモチベーションアップ
導入によるメリットとしては、すでに介護職として働いているひとのモチベーションアップにもつながるということです。
将来的に昇進の未来が見えているのと、見えていないのでは、働いている人のやる気が大きく変わってきます。
今やっている仕事によって、自分にどのような利益がもたらされるのか理解していれば、仕事にやる気がでますよね。
介護職は忙しい場合が多く、目標を決定するのも困難なこともあります。
しかし、制度のおかげで目標を理解することもできモチベーションが上がっていきます。
企業側からのメリット
キャリアパス制度を導入することの企業側からのメリットとしては、「介護職員の質の向上」そして「職員の定着」が望めることでしょう。
現在、介護業界では人材不足が叫ばれています。
その人材不足が激務・職場環境の劣悪化を生み、それによってまた人材が離れ、人材不足に拍車をかけている現実があります。
高齢化社会が今後も激化していくと考えられ、施設も増えつづけているなかで、このままだと人材不足はもっと加速していくでしょう。
しかし、このキャリアパス制度を導入することによって、介護職が離職する確率が減り、求職者も増えると考えられます。
それどころか、意欲的に働く社員が増えるため、現場の仕事の質も上がり、一人あたりがこなせる仕事量も増えると考えられます。
人不足で困っている介護の企業・施設にとっては非常に大きなメリットとなるでしょう。
キャリアパス制度のデメリットは?
デメリットとしては、選択肢が狭くなってしまう可能性があることが挙げられるでしょう。
自身のキャリアの目標、計画を立てることにより選択肢や視野が狭くなってしまう可能性が生まれます。
今後介護の仕事をしていくなかで、さまざまなことを学ぶ場合があると思います。
しかし、計画をしっかり立てた上だと、その計画上のことしか学びとれない可能性も生まれます。
偶然の気付きや、自分の適性などを見逃さないように、計画は立てつつも、うまく距離をとって付き合う必要がでてきます。